80年代洋楽ヒット曲の歌詞と翻訳、英語解説 ROCK'N'ROLL ENGLISH

80年代洋楽ヒットの歌詞で英語を学ぶ。ロックンロールイングリッシュ

デビッド・ボウイ「ジギー・スターダスト」の歌詞と英語

 




ジギーはギタリスト 
Weird と Gilly、Spiders from Mars と
ジャムをしたんだ めっちゃかっこいいやつを

左利きなんだ でもプレイは最高
あっという間にあいつはリーダー 
俺たちはやつのバックバンドさ

ジギーの歌はすっげえリアル 
目ん玉をぐるぐるさせて 髪を振り乱して
なんか日本のネコみたいさ
にっこり笑えば観客はもうメロメロ 釘付けさ
みんな夢中 あの酔っぱらいの 巨根で 真っ白に日焼けしたあいつに

で、スパイダーはどこで何してた? 
うるさいハエみたいなあいつが 俺たちのパーティをぶち壊したってのに
俺たちはただビールで酔っぱらって あいつのファンを罵って
あいつの手をぶっつぶしてやるって息巻いてた

ジギーのギターはときどき 俺たちをブードゥー教徒みたな気にさせる
ニブいガキどもにとっちゃ あいつはまるで神の申し子
何でも出来た 特にギターは

自分のエゴを愛して ジギーはもう心がガチガチ 
誰の言葉も届かない はずれものの救世主みたいに
ガキどもがあいつを殺したとき 俺たちのバンドも終わったのさ

(訳:発行人)

☆左利きのギターカリスマ Ziggy って、もしかしたら Jimi のオマージュ? 
まさか…。でも BooDoo だし…。


 

 

デビッド・ボウイ

さあ、今回はデビッド・ボウイのPart2。
お送りするのは「Ziggy Stardust」(1971←80年代じゃないんですが(^ ^;))

1971年といえば私は11歳…小学5年生? さすがに小5にリアルタイムでZiggyを聴くほど早熟だったはずもなく、ボウイに出会ったのは中学に上がってから。

「スターマン」「スペース・オディティ」でブレイクした頃で、「MTV」こそなかったものの、ラジオの「全米トップ40」(懐かしい…)や、給食食べながらの「お昼の放送」(その頃としては貴重な音楽情報源でした…)でヘビー・ローテーションされていた気がします。

当時のボウイはオレンジ・スパイキーヘアで眉毛なし、レインボータイツ。山本寛斎のコスチューム(漢字で大きく「暴威」って書いてあった…確か)もこの頃だったと思う。「ミュージックライフ」はよく立ち読みしました。MTVなかったから。(←しつこい)

田舎の中学生に世界最先端のロンドンカルチャーがわかる訳もなかったんだけど、一応しっかり「刷り込み」はされてたみたいで、高校でいきなりグラムデビューしてしまい、友だちがみなパープル、ツェッペリン化していく中、1人ボウイ、ロキシー、コックニーレベルなどに夢中。

でも今考えると「僕ってちょっと屈折派?」的なポーズもあり、思えばそうとう嫌な奴だったような気がします。

あの頃もっと英語がわかったら、もっともっとハマってただろうなあ。
すごいもの。この人たちの、詩の世界。

★おすすめDVD
 歴史的名作と言っていいでしょう。1973年、ロンドンでのライブ。
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005H08I/80rockenglish-22

今回の曲…ZIGGY STARDUST♪

英語歌詞 [by courtesy of sing 365.com]

解説

☆比喩、何かの引用(きっと聖書とか)、ダブルミーニングなどが多く、はっきり言って今回はむずかしいです…。

■Ziggy played guitar, jamming good with Weird and Gilly
And The spiders from Mars

「Ziggyはギターを弾いて、Weird と Gilly、そして The spiders from Marsといいジャムをした」
jam はもちろんここでは食べ物ではなくて、ジャムセッションする(ミュージシャンが集まってインプロビゼーション-即興演奏を行う)ということですね。
WeirdGillyは人名だと思いますが、何かを暗示しているのかもしれません。
weird「変な、おかしな」という形容詞。

■He played it left hand  But made it too far
「彼は左で(ギターを)弾いたけど、すごくうまかった」
make it は「うまくやる」。too far は強調。出来過ぎなくらい、って感じです。

■screw up eyes and screwed down hairdo
「目をグルグルさせて、髪を振り乱して」
・この辺はもうゴロあわせなのかなあ。
screw「ねじを巻く、ぐるぐる回す」。 
・hairdoは「(特に女性の)髪型」
・上目使いに目の玉を回したり、ヘッドバンキングしたり、っていうステージパフォーマンスかと。
 
■He could lick'em by smiling He could leave'em to hang

「彼はその笑顔で彼らを打ち負かすことも出来たし、釘付けにしておくこともできた」
themオーディエンスでしょう。
lick「なめる、やっつける」など。hang「吊す、さまよう」など。

■They came on so loaded man, well hung and snow white tan
「彼らはあの酔っぱらいの、巨根の、真っ白に日焼けしたあいつに夢中」
loadedは酒とか、麻薬とか、激しい感情とか、そういうものに過剰に酔っている、という状態の事かと思います。
well hung「巨根の」もしくは「巨乳の」。両性具有のイメージもあるかと。

■So where were the spiders while the fly tried to break our balls
「それで、クモはどこにいたんだ? あのハエが俺たちのパーティを壊していた間に」
・バンドとZiggyの関係をクモとハエになぞらえています。本当はクモの方が強
いのにうるさいハエがやりたい放題じゃないか、という感じ。
フロントマンばかりが注目されて、他のメンバーがクサり始めたわけですね。
ball「舞踏会」

■so we bitched about his fans and should we crush his sweet hands
「俺たちは彼のファンを罵った。あいつの両手をぶっつぶしてやろうか」
bitch侮蔑語ですね。
・sweet handsですが、すばらしい音楽を産み出す魅力的な両手、という感じでしょうか。あとsweetには「ホモ、オカマ」という意味もあります。

■The kids were just crass, he was the nazz
→ 「ガキどもは鈍感、彼はナッズ」
kidsはZiggyの観客、ファンでしょう。
crass「鈍感な」
nazzはちょっとわかりませんが、確かスラングで「変わってるけど、かっこいい奴」という感じだったような。トッドラングレンの初期のバンド名も確かnazz。

■Ziggy sucked up into his mind like a leper messiah
「Ziggyの心は固まってしまった、やっかいものの救世主のように」
leaper「やっかいもの」messiah「救世主」。人の話に耳を傾けず、唯我独尊の傾向が極まってきてしまった感じでしょうか。

★ついにZiggyはファンに殺され、バンドは解散したのでした。

バンドメンバーでなくファンに、というのが非常にリアリティを感じます。大衆によってスターになった人は、やはり大衆によって消費され、使い捨てられるしかないのでしょうか。ボウイはそれを知っていたからこそ、「変化」し続けていたのかもしれない。

後記

いやあ難しい歌詞。「違うぞ」「これは訳しすぎ」など、ご意見お叱りございま
したら、ぜひお便りを。

Ziggyは1971年。私は中学1年生。ああ、中学かあ。テニス部の先輩が可愛かったんだよなあ。(遠い目…)今はすっかりお母さんしてるんだろうなあ…。

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